【2021年1月号】現役ボカロPによる今月の「殿堂入りボカロ曲」レビュー
はじめに

ニコニコ動画で10万再生を突破した「殿堂入りボカロ曲」を月ごとにまとめて紹介します

クリエイター目線で音楽的にちょっと深いレビューを目指します!

*本記事は特定の作品や個人を中傷する意図はございません。随時更新制ですので現在紹介できていない曲もございます。

【初音ミク】 ニューダーリン 【オリジナル】

この個性的なシンセの音でMARETUさんだとわかるはず。暴力を彷彿させる歌詞と密度の濃い低音がマッチしています。バスドラムは生音と打ち込みをレイヤーしているのでしょうか。リズム打ち込みのフレーズがHR/HMっぽくてかっこいいですね。「ダーリン!」の声がかわいくて頭から離れない。

ウルフィズム/feat.flower

攻撃的なドラム、スネアと歌詞に合った「flower」の声がかっこいい。。youtubeでも大ヒットを飛ばしたふぁるすてぃさんの作品が殿堂入り。この曲は氏の「イズム」シリーズの中の一作で、ネット上では歌詞の考察なども盛んです。曲、イラスト、動画、総合的にも力がある曲ですね。

ティアラ / せきこみごはん feat. 初音ミク

ボカコレ秋2021ルーキーランキング12位。鮮烈なドラマ性を持った同曲が公開3か月を待たずに殿堂入りです。悲劇的な世界観をピアノと美しいストリングスが彩ります。オケ音源は何でしょか。ビブラートがきれいですね。楽曲のなかでの緩急が人の哀歓を表現しているようで、心の琴線をふるわせる名曲です。間奏のボーカルチョップもかっこいいですね。

∴可不×flower『バーバヤーガ』/ 煮ル果実 with.GABULI

出だしの音からすでに神。サビに中域楽器が少なくてややさみしいかな、、と思いきやこれがいい。ボーカルを引き立たせるための工夫でしょうか。ストーリーにGABULI(No.965)さんが関わっていて視覚的にも見ていてたのしい作品ですね。

ていくる - マインドレリーズ feat.初音ミク

技巧的かつ個性的。一枚絵で魅せる芸術。楽曲中でフィルターを利用した編曲や拍子を変えて聞き手を逃がさない工夫は簡単に真似のできるものではありません。ミクの調声にも個性がありますね。「独りにしないで」のリフレインが頭から離れません。

傷つけ愛 / 初音ミク

出だしから惹きつけられる音。この音選びはなかなかほかの人には真似できないでしょうね。

和風?いやいや近未来?ディストピア?想像力を掻き立てられる歌詞とイラストの世界観が病みつきになる一曲です。作者は「阿吽のビーツ」でおなじみの羽生まゐごさん。

ワールドワイドワンダー / 初音ミク

クランチギターのなめらかな中域が心地よいですね。樋口幸佑さんのドラムと絡まって心地よいビートを刻みます。サビのキメが印象的で「キラキラ光ってるはずなんだ」の部分が気持ちいいです。プロセカ収録曲ということで、ここのパートではプレイしていても楽しいはずです。動画も統一感のあるカラーリングで見ていてかわいい、楽しい。

∴flower『アランダーノ』/ 煮ル果実

乾いたギターの音が気持ちいいですね!無造作なピッチ感がクセになります。曲の展開が独特で聞いていて飽きません。メロディと連動したギターのアレンジも斬新。新しい時代のギターロックを感じますね。曲が終わったあとも耳に残るメロディとリフがいいですね。

DECO*27 - サラマンダー feat. 初音ミク

「カップヌードル×プロジェクトセカイ」の最強タイアップ。話題のDECO*27さんの新曲です。独特のミクの調声と透明感のある金物のアレンジがいいですね。「ちゃんとふーして、火傷したくないなら」というキーワードがカップヌードルと、猟奇的なミクのイラストにピッタリです。

アリスブルー feat. 初音ミク/HoneyWorks【#コンパス​】

イントロはギターとシンセのレイヤーでしょうか。この音作りは斬新!ブラスの入り方のセンスがいい。ハープシコード、ベル、パワーのあるバスドラム。ロックベースの楽曲にテクニカルなアレンジが光ります。落ち込みがちな現代社会に元気をくれる応援ソングに聞こえます。「迷って、迷って進め」

【GUMI×初音ミク】アイデンティティ【Kanaria】

こちらも「カップヌードル×プロジェクトセカイ」のタイアップ曲。kanariaさんの曲はやっぱり音のリリース感がいい!楽器を最小限にして、すべての音に圧倒的な存在感があります。左右に音色の異なるピアノを配置して立体感がでています。GUMIと初音ミクの掛け合いが美しいですね。独特なドラムの音作りが気持ちよく、繰り返しきいていたい。

【鏡音レン】 盃と片輪 【オリジナル曲】

エスニカルなアレンジが気持ちいいですね。一枚絵のMVですが物語性を感じさせます。2017年投稿ということで約4年ごしの殿堂入り。良質な作品はじわじわと聞き継がれるのがニコニコ動画のいいところです。3:00を超えたあたりの転調がいいですね。左右にことなる民族楽器を配置して、まるで中世農村の村祭りにきたかのような臨場感が味わえます。

アブセンティー / flower

気持ちのいいシャッフルビートにおしゃれなflowerの歌が絡みつく晴(はる)いちばんさんの曲が殿堂入り。自身初の殿堂入りだそうです。ピアノの打ち込みの美しさ、聞き手を飽きさせない曲の展開。中学生とは思わせない技術力が光る一作です。晴いちばんさんが使う音は突拍子もない音も一つの曲の中でまとまっているのがすごいですね。

『くうになる』/ feat. 初音ミク & 可不

前奏が入るタイミングが美しい。MVの背景がよく見ると色味が時間変化している。シンプルながら立体感のあるベースライン。円形のトランジションがいい!リリースが短いプラックシンセとMIMIさんのピアノの相性が最高!ダン、ダダン。というリズムがいいですね。心地よいキックの音がサビとの緩急を演出しています。初音ミクと可不の組みあわせってこんなに合うんですね!

ヘイターガール / 初音ミク【オリジナル曲】

音使いのバリエーションが豊かです。特にサビ明けのブレイクなど非常に独創的。全体的にはシャッフル気味の曲調で刺激的な歌詞と危険な曲の雰囲気がぴったりマッチしています。動画の演出もいいですね。基本的には一枚目なんですが、さまざまなマスクやエフェクトを多用して4分間飽きさせない工夫が見られます。

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