【2021年2月号】現役ボカロPによる「殿堂入りボカロ曲」レビュー
はじめに

ニコニコ動画で10万再生を突破した「殿堂入りボカロ曲」を月ごとにまとめて紹介します

クリエイター目線で音楽的にちょっと深いレビューを目指します!

*本記事は特定の作品や個人を中傷する意図はございません。随時更新制ですので現在紹介できていない曲もございます。

アルマ / feat.KAFU

高速トラップビートがきもちいい!「戯れ愛ましょう」がいいですね。サビ終わりの「はあ(溜息)」

の表現が新しい。動画のカメラ移動でゆらゆら揺れる景色とキャラクターの「まばたき」が不思議な空間を演出していますね。

バッド・ゲイザー | よたばいと feat. flower

両サイドのクランチギターがきれい。中、高域がきれいにでていて嫉妬です。ピアノの打ち込みも上質で聞いていて心地よいですね。ハードなbassサウンドと独創的なキメが完成度を高めています。よたばいとさんは動画もつくってるんですね!すごい!どっちも1流。

淡々、回想 / 桃音モモ

出だしのプラックの音が聞き手を惹きつけます。リバーブ深めのギターが記憶の底から響いてきているようで表現力にあふれています。曲の随所に盛り込まれるボーカルサンプルがいい。だれの真似でもない。唯我独尊の作品です。

【Synthesizer V 】群青/YOASOBI【京町セイカAI】

新時代きましたね。何にも知らない人にこのまま聞かせてもバーチャルシンガーだとはわからないはず。選曲もいいですね。淡々と歌い上げる感じが前向きな一歩を踏み出す「群青」のテーマとピッタリ合っています。

Nostalogic (birthday mix) / yuukiss feat. MEIKO

おしゃれなピアノとEDMトラックがMEIKOの大人っぽいキャラクターを引き立てています。生誕記念に作られた曲ということで愛があふれていますね。小室サウンドを彷彿させるアレンジがいい!

稲葉曇『ポストシェルター』Vo. 弦巻マキ

きました!稲葉曇さん。浮遊感のあるピアノの音と独特なフレージングはもはや稲葉スケール。けっして覚えやすいメロディではないのですが、いつまでも頭のなかでリフレインされるのがすごいですね。小説を読んでいるかのような聞き心地がいいですね。

dogdog/虻瀬

ミクでこんな音作りできるんですね!出だしの音から突き抜けるような高音で歌い上げています。「死にたい」「死ねない」「生きたい」「逝きたい」の中で踊る文字が聞き手の心に突き刺さります。「生きる」ことに思い悩む人の心象をそのまま可視化させたような大作です。

死線 / 初音ミク

重厚なストリングスと歯切れのいいクランチギターの組み合わせがいいですね。躍動的なイラストとおしゃれな楽曲のギャップがいいですね。

『いっせーのーで』 / feat. KAFU

やっぱりMIMIさんのピアノは最高ですね。美しい宙域を響かせながら、しっかりオケのなかで音がぬけてきます。リリース感も最高。サビの「いっせーの」「感情論」のリフレインがいいですね。KAFUのかわいらしい歌声ともピッタリです。

ファムファタル / flower

歪んだ攻撃的なベースと厚いブラスの音が印象的です。ダークな感じのflowerの歌声とピッタリですね。乱暴に崩したようなアコースティックギターの音が楽曲に唯一無二のエッセンスを加えています。

Chinozo「ベビーデーズ」 feat.FloweR

Chinozo×アルセチカの最強コンビ。シンセプラックを用いた前奏がいいですね。裏拍を効果的に用いたリズムに、紫色を基調にしたかわいいMVがぴったりです。flowerの調声も最高です。

ぐるぐるめろメロディ♪/音街ウナ・鏡音リンより

ウナとリンのノリのいいボーカルが3分弱の曲でとどまることなく響き渡ります。スネアの音が独特ですね。4つ打ちのリズムに歯切れのいいリズムと印象的なサビが乗り、中毒性とクオリティの高い楽曲に仕上がっています。

コスモスパイス / 鏡音リン・鏡音レン・初音ミク

エスニックな世界観にピノキオピーさん特有のサウンドがピッタリですね。曲の展開が凝っていてまるで映画を見ているかのような視聴感があります。

DECO*27 - パラサイト feat. 初音ミク

ここのところ一枚絵MVが多かった印象のDECO*27さんですが、今回はフルアニメーション。猟奇的な愛情をテーマにした歌詞とオケヒがアクセントになっているちょっとダークな楽曲観がぴったりですね。

『もーいいかい』/feat. 初音ミク

リリースが短いピアノのおとがいいですね。青と白の世界観が楽曲にマッチしています。いくらでも音を重ねられるDTMだからこそ、音を厳選して重ねている印象があります。「笑ってもいいですか。涙ぽつり零れぬように」

ノロ / ¿? feat.flower

ダークな楽曲世界が魅力的。ひずみのかかったflowerの声がいいですね。サビで大音量のハードなドラムがさく裂します。ミックスダウンで楽曲の緩急を表現している演出がいいですね。

とあ - ステンドノクターン - ft.鏡音リン, 初音ミク

4つ打ちのドラムと透明感のあるピアノがいいですね。あまった帯域を大きめのベースとグロッケンで埋め、リンのミクの声が入る余地をしっかり残しています。「染め上げてノクターン、ノクターン」のリフレインがすてき。2分超えたあたりでジャズっぽく少し転調するのがおしゃれですね。

福音 / wotaku feat. 初音ミク

伝統のwotakuサウンド。シンフォニックな世界観にダーク×デジタルな音作りが魅力的です。HIPHOPを彷彿させるトップラインにダークファンタジーな歌詞。緩急を魅せる間奏のアレンジもいいですね。

浮遊感/初音ミク

強力なKICKに歯切れのよいクランチギターが乗っています。個性的なシンセの音も魅力的。ソフトなアニメーションとダイナミックな動画のトランジションの組み合わせが良いですね。時折のぞくトップラインのブルーノートがいい!ギターソロの合間にミクの声が入ってくるアレンジもういいですね。

【初音ミク】会いたいよ【オリジナル曲】

柔らかなストリングスの入り方がいいですね。リラックスできる。きもちが落ち着く。コメントを読むまで気づきませんでしたが、震災をテーマに書かれた曲なのですね。この曲が主さんの届けたい人に届きますのように。

カナデトモスソラ/ねこぼーろ(ササノマリイ)feat.初音ミク

言葉の力が強い。シンプルなMVだからこそ、そのメッセージ性が強く伝わってきます。実写を組み合わせた映像に五線譜が重なり、感傷的な気分を高めます。サビでの音の広がりが、楽曲世界の説得力を高めます。

【重音テトwith初音ミクオリジナル曲】いらっしゃいませバーチャルに!

リアルに疲れたらバーチャル世界に浸りたい。。ゆっくりしていってね!10年越しの殿堂入りです!

ディープリレック / flower

柊キライさんの2作目が殿堂入り。この頃から独特のflowerの調声は健在ですね。サビの「見ない、見ない」などのリフレインが現在の作風に共通しているように思えます。

神を偽った悪魔へ【始】 feat.可不、花

太いKICKとベースの音がかっこいい。赤、白、黒を基調にデザインされたMVも魅力的です。

Pandalism / littlebylittle feat.可不

ダンスをしているパンダに目がいきがちですが、歌詞もいいですね。「尖れるまで尖っていけ」「それでも前を向けよ」厚みのあるクラップの音が独特なビートを奏でます。

Chinozo「Flyer!」feat.FloweR

疾走感のあるバンドサウンドが「Flyer」のテーマにぴったりですね。サビの「Flyer」の繰り返しがクセになります。ライブでも盛り上がりそう!

カノン / 可不

KICKとベースの厚みが気持ちい。リリース短めの音色が歯切れよく、ところどころに挟み込まれる飛び道具の音サンプルもいいですね。「開いた硝子の対角線 忘れないで!」シンプル、音がいい、最高!

猛獣 / 初音ミク

johnさん2019年の作品が殿堂入り。個性的なシンセサイザーの音色が楽曲の世界観をつくりあげます。シンプルなイラストとインパクトのある歌詞がいいですね。「僕の愚かさではきっと釣りがでるほどに」

スティールユー / 初音ミク

ギターとシンセのレイヤーされた音が攻撃力をもって襲い掛かります。ハードな楽曲世界、キャッチーなサビ、象徴的な一枚絵イラスト。引き込まれますね!

ポテトがSしか売ってない L(ong).ver / 音街ウナ - シカクドット

ネタ曲かと思いきや普通に名曲。ポテトが焼きあがる音をモチーフにキャッチーな楽曲にしあがっています。

[SNOW MIKU 2022]君色マリンスノウ / カルロス袴田(サイゼP) feat. 初音ミク

ソーラン節を取り入れた楽曲の世界観に暴れだすドラムビート。ボーカロイドならではメロディ。明るくたのしいMVにも注目ですね!

アンテナ / 初音ミク

日常の様々な場面で感じる哀愁、感傷を骨太なビートに載せて歌っています。ピノキオピーさんの曲はかっこいいだけじゃなくて、どこかにメッセージがあります。

しょってぃん / 香椎モイミ feat. flower

ぬくぬくにぎりめしさんのイラストに明るいダンスビート、おしゃれな歌詞がぴったりですね。個人的にはサビで入り込む裏メロのシンセが大好きです。

魔法少女とチョコレゐト / 初音ミク

「本当は○○なんでしょ?」「魔法少女やめたい」日本のネットカルチャー、サブカルチャーを俯瞰しながらダークな視点で歌い上げます。楽曲のテーマと黒、ピンク、白の配色「チョコレート」というモチーフがぴったりですね。歌の途中で歌メロがシンセのサイン派になる演出は新しい!

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